5W2H
「5W2H」は、問題解決や計画立案において状況を明確にするためのフレームワークであり、以下の7つの要素で構成されています:
目次
5W2Hの要素
Who(誰が):
- 誰が関与しているのか、誰が影響を受けるのか、関係者は誰かを明確にします。
- 例:プロジェクトチーム、顧客、供給者など。
What(何を):
- 何が起こったのか、何を行うのか、具体的な内容や対象を特定します。
- 例:製品の開発、新しいサービスの提供、問題の発生など。
When(いつ):
- いつその事象が起こったのか、または起こるのか、タイムラインを明確にします。
- 例:プロジェクトの開始日、締め切り、イベントの日時など。
Where(どこで):
- どこでその事象が起こったのか、または起こるのか、場所を特定します。
- 例:会議室、工場、オンラインプラットフォームなど。
Why(なぜ):
- なぜその事象が起こったのか、または起こるのか、原因や目的を明確にします。
- 例:市場ニーズの変化、品質向上のため、トラブルシューティングのためなど。
How(どのように):
- どのようにその事象が進行したのか、または進行するのか、手段や方法を特定します。
- 例:プロセスのステップ、使用するツールや技術、コミュニケーション方法など。
How much(いくらで/どのくらい):
- どのくらいのコストや時間がかかるのか、量や規模を具体的に示します。
- 例:予算、必要なリソース、達成すべき成果の量など。
この「5W2H」を用いることで、計画や問題解決の際に全体像を把握し、抜け漏れのない具体的なアクションプランを作成することができます。
5W2Hの使用例
使い方
- 問題解決: 問題が発生した場合、その原因を特定し、解決策を立案する際に「5W2H」を使用します。
- プロジェクト計画: プロジェクトの全体像を把握し、具体的なアクションプランを作成する際に使用します。
- 報告書作成: 報告書の内容を整理し、関係者にわかりやすく伝えるために使用します。
5W2H使用例
例1: 新製品の発売計画
- Who(誰が):
- プロジェクトチーム、マーケティング部門、製造部門、顧客。
- What(何を):
- 新製品「Eco-Friendly Water Bottle」の発売。
- When(いつ):
- 2024年9月1日に発売予定。
- Where(どこで):
- 全国の主要小売店、オンラインショップ。
- Why(なぜ):
- 環境に配慮した製品を求める顧客の需要が高まっているため。
- How(どのように):
- 新製品の開発、製造、マーケティングキャンペーンの実施、販売チャネルの確保。
- How much(いくらで/どのくらい):
- 開発費用: 500万円、マーケティング費用: 300万円、販売目標: 1万個。
例2: 問題解決(生産ラインのトラブル)
- Who(誰が):
- 生産チーム、品質管理部門、メンテナンス担当。
- What(何を):
- 生産ラインで頻繁に機械トラブルが発生している。
- When(いつ):
- 2024年6月から頻繁に発生。
- Where(どこで):
- 第2工場のライン3。
- Why(なぜ):
- 機械の老朽化、メンテナンス不足が原因と考えられる。
- How(どのように):
- 詳細な原因調査、部品の交換、定期メンテナンスの強化。
- How much(いくらで/どのくらい):
- 修理費用: 200万円、メンテナンス費用: 年間50万円、ダウンタイムの削減目標: 30%。
その他の使用シナリオ
- マーケティングキャンペーンの立案:キャンペーンの目的、ターゲット、実施方法、予算を明確にする。
- プロジェクトの進捗管理:各タスクの進行状況、担当者、期限を明確にして管理する。
「5W2H」を活用することで、計画や問題解決のプロセスを体系的に整理し、抜け漏れなく進行させることができます。
ケース:新規プロジェクトの依頼
ケース:新規プロジェクトの依頼
取引先からの依頼内容:
取引先から、新しい製品ラインの共同開発プロジェクトを提案されました。依頼内容は次のとおりです:
- プロジェクト開始:2024年8月
- 予算:1000万円
- 期間:6ヶ月
- 製品仕様の初期案を6月末までに提出
- 定期的な進捗報告
5W2H悪い事例
報告内容:
上司へ、
取引先から新しいプロジェクトの依頼がありました。開始は8月で、予算は1000万円です。どうしましょうか?
よろしくお願いします。
こちらの悪い事例も参考に
5W2H良い事例
報告内容:
上司へ、
取引先の株式会社ABCから新製品ラインの共同開発プロジェクトの提案がありました。以下、詳細をご報告いたします。
1. **Who(誰が)**:
- 取引先:株式会社ABC
- 当社担当:開発チーム、プロジェクトマネージャー
2. **What(何を)**:
- 新製品ラインの共同開発
3. **When(いつ)**:
- プロジェクト開始:2024年8月
- 初期案提出:2024年6月末
- プロジェクト期間:6ヶ月
4. **Where(どこで)**:
- 主にリモートでの協力、必要に応じてミーティング
5. **Why(なぜ)**:
- 取引先からの強い要望、新市場への進出
6. **How(どのように)**:
- 定期的な進捗報告会議(毎月1回)
- 双方の開発チームが協力してプロジェクトを推進
7. **How much(いくらで/どのくらい)**:
- 予算:1000万円(弊社分担は500万円)
つきましては、プロジェクトに参加することを前向きに検討したいと考えております。ご確認とご指示をお願いいたします。
よろしくお願いします。
山田
5W2Hなぜ悪かったか、よかったか
悪い事例の問題点:
- 情報不足:
- 依頼内容の詳細が不足しており、上司が状況を正確に把握できない。
- 具体的なプロジェクト内容、期限、予算の分配などが不明確。
- 提案不足:
- どう対応するかについての提案や意見がなく、上司が追加の質問をする必要がある。
- 構造不備:
- 情報がまとまっておらず、重要なポイントが抜けている。
良い事例の良点:
- 情報の網羅性:
- 5W2Hフレームワークを用いて、依頼内容の全体像を明確に伝えている。
- 上司が即座に状況を理解できる。
- 具体的な提案:
- プロジェクトに参加することを前向きに検討する提案を含めており、次のステップを示している。
- 上司が意思決定をしやすいようにしている。
- 構造的な明確さ:
- 整然とした報告内容で、情報を容易に確認できるようにしている。
まとめ:
良い報告は、詳細で具体的な情報を提供し、上司が状況を即座に把握できるように構造化されています。また、次のステップに対する提案や意見も含めることで、上司の意思決定をサポートしています。そして悪い報告は、情報が不十分で曖昧であり、上司が追加の情報を求める必要が生じます。
正しい情報を伝える難しさはこちらでも事例を挙げています。
コメント